今回は子供の「歩行」についてです。
仰向け、うつ伏せ、寝返り、ずり這い、四つん這い、立位こんな感じで「発育」「発達」が行われていきます‼︎
こういった運動のなかで「歩行」は早い方が良いと考えている方が非事に多いと思います。
(歩行の練習の為のおもちゃや親が手を持って歩行の練習をするなど、、)
「運動神経が良いから、早く立てた」「早く立った方が、歩行の経歴が長くなるから」などここで因果関係を結びつける方も多くいます。
結論からいうと私は歩行は「遅い」ほうが良いと考えています。
今回は3つに別けて理由を説明していきます。
【オプティックフロー】・・・脳機能。人間は歩いたり、走ったりする中で周辺視野の移り変わり(木や電柱など)で「今、前に進んでいるんだ」など感じることができる一つの機能のことです。
[赤ちゃんが生まれてから]
・眼球運動のみ・・・何かを目で追ったりすること
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・頸部の運動・・・生まれて間も無くすると首が動かせるようになる。ここで首と目の分離の動きができるようになる
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・寝返りを行う・・・寝返りをうつと、自分がどっちに向いてるか、どっちに回ったかなど目で見なくても認知できる。
これが「三判機能」などの働き。ここで活性化される。
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・ハイハイになる・・・ここでようやく地面の景色や自分が前にすすむと景色が移り変わるなどの「加速」の情報が視覚から入ってくる。
つまり頭の中で前に進んでいるという情報と目で見て移り変わる情報がここで統合されるので、脳機能が非常に活性化される。
でもここで疑問がでます。
「立位」でも同じじゃないの?立って散歩でも良いじゃんと
もちろん「立位」でも同じことは起こります。前に進んでいる感覚や、景色の移り変わりは起こります。
最大の違いは、感じる「スピード」です。
例えば、「電車」
電車を遠くから見てください。あまり早く見えませんよね?
でも近くで電車を見てみてください。「ブワッと」通り過ぎていきますよね?
私達は近くで見るものの方が「早く」感じます。
ということは、立って地面から離れるより、ハイハイで地面に近い方が景色の移りかわりが早くなるので、機能の活性はよくなるかもということです。
その証拠になるかは分かりませんが、アスリートの選手などもずり這いや四つん這いなどの種目を多く入れます。
【重力と脊柱】
・脊柱の後弯・・・赤ちゃんの頃は生理的湾曲(S字)ではなく背中が丸い状態である。「3ヶ月ポーズ」と言われる姿勢
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・頸部と腰部が前弯・・・ここでようやく生理的湾曲が作られる。このS字はそれなりに大きくカーブがある方が一般的にパフォーマンスが高いとされている。これは身体機能の高いアスリートに共通している。
ということを考えていくと、「頸部」「腰部」が前弯していくときに「四つん這い」というのは
頭が落ちる方に重力が働くし、腹筋も落ちる方に働く。
なのでそれに堪えるように頭をあげたり、胸を開いたりする。
それにより頸椎には前弯が生まれ、腰椎にも前弯が生まれる。
そしてこの重力のかかり方は「立位」「四つん這い」で大きく変わる。
立位であれば筋肉が弱ければ、お尻が落ちるので、後弯が強調されてしまう。
「四つん這い」であれば生理的湾曲を強調することができる。
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・重力のベクトルが生理的湾曲を形成する
【体性感覚】・・・「ご高齢」になってくると骨盤が重心が低くなって、骨盤が後傾して、姿勢が低くなる。これは皆さんも周知の事実でと思います。
これはなぜ起こるのか?
もちろん椎間板が潰れるとか、筋力の低下などありますが、その中の理由の一つとして、「転倒リスクの予防」をする為なんです。
私達は当然スタスタ早く歩くよりも、重心を下げて「お相撲さん」のようにすり足で歩いた方が安定性が高いです。
そしてこの「安定性」ですが、これは重心位置のような物理的なものだけではなくて、
「足の裏からの感覚」がとても大切です。
足の裏の感覚が鈍い・・・例えば、今何を踏んでいるのか分からない、地面に立っていても立っている気がしない方は何を蹴っても、何を押しても感覚がありません。つまり「浮遊感」が出てしまいます。
だから足つぼとか足の裏でボールをコロコロすると「地に足がついてる気がする」「いつもより足がベタっと着いてる気がする」などのフィードバックが得られます。
※これをすることによって筋肉が、、、ではなく神経系的の働きでなっている
この「浮遊感」がなければ「安定」しますし、逆に浮遊感があると「転倒」しやすい、つまり「恐い」と感じるようになります。
こういった「不安」「恐怖」を感じると、筋肉を緊張させ、骨盤を後傾させたりして重心を落としどんどん丸くなります。
なので「ご高齢の方」は足の裏の感覚が鈍くなるので、姿勢か悪くなります。
こう考えたときに、、、、
・仰向け
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・うつ伏せ
※仰向けとうつ伏せが最も地面に付着している部分が多いので安定した姿勢と言える
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・ハイハイによる手掌と下腿からの情報入力・・・立っているときに比べると多くの部分が着いています。
この状態で運動することによって非常に多くの情報を得ることができます。
その結果、、、
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・自己定位の獲得・・・自分がどこにいるのか、またどういう姿勢をしているのかが分かりやすくなります。
これが早い段階で、神経系の発達もあまりしていないのに無理に立位の練習をさせ、立ってしまうと情報を感じれるのが
「足の裏」だけになってしまうので「不安定」に感じ筋肉を緊張させてしまったり、自己定位が衰えてしまう可能性があるということです。
長くなってしまいましたが以上です。
無理にハイハイやゴロゴロする時間を長くする必要はありませんが、なるべく様々な部位からたくさんの情報を得られる方が望ましいのではと考えています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
イイね、コメントお願いします。